円形脱毛症の治し方

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円形脱毛症は清潔な生活がよくない?衛生仮説が教える治療のヒント!

円形脱毛症の原因

この記事のポイント

こんにちは。円形脱毛症の完治のためのヒントをくれるのは衛生仮説というものです。時代が豊かになり、食の多様化も進む中で、自己免疫疾患やアレルギーといった免疫疾患が増えている。この現状を踏まえて、私たちにできることは何でしょうか。円形脱毛症を治すために何が必要かを考えてみたいと思います。

円形脱毛症の治療にみんな苦労しています。病院でも治せない状況が続いています。免疫の仕組みは複雑で、直接的な原因がよくわかっていなかったわけですね。

近年、円形脱毛症以外の自己免疫疾患の患者は増えていますが、それとともに、そのメカニズムも徐々に明らかになってきています。ところが、病院での治療にはあまり活かせていないと感じます。

私たちの円形脱毛症は、病院に頼らなくても、完治を目指すことができる時代になったのではないかと思っています。むしろそっちの方がいいのかも。治すためのヒントとなるのが衛生仮説なのではないでしょうか。

円形脱毛症は自己免疫疾患と言われる

円形脱毛症は自己免疫疾患と言われます。正常な体内の細胞や臓器を免疫が攻撃してしまうから起こるというわけです。本来は、免疫は病気のもととなるウイルスや細菌を攻撃して排除するのが目的のはず。

ところが自己免疫疾患では、もともと体内にある健康な臓器を攻撃して症状を起こしている。つまり、免疫が正しくない働きをしているのが特徴です。

それでは、なぜ免疫がおかしくなってしまったのでしょうか。

免疫異常の影にあるもの
免疫に異常が起こるまでに何があったのか…

近年増えているのは自己免疫疾患だけではなく、アレルギー疾患も同じです。アレルギーもやっぱり免疫の問題なんですよね。また、先進国での発症が多いのもこれらの特徴。

免疫異常の理由として、1つの説となっているのが、衛生仮説と言われるものです。

 Point

免疫異常を引き起こす理由とされているのが衛生仮説!

衛生仮説とは

衛生仮説は、清潔すぎる環境が免疫の異常を引き起こしているというものです。生活な環境と清潔ではない環境で育った場合、どんな違いがあるでしょうか。

清潔じゃないってことは、菌やウイルスが体内に入ることが多いわけですよね。病気になる確率も高くなるかもしれませんが、重要なのは、免疫が活躍できる環境であること。

清潔な環境を手に入れた私たちの生活から寄生虫というのは消えてしまいました。検便やぎょう虫検査も行われなくなりました。寄生虫がいないのに検査しても必要ないからですね。

アレルギー症状はIgEという抗体の数値が高くなることが特徴。このIgEは寄生虫に働く抗体でもあります。(であった、と言った方が今となっては正しいのかもしれません。)

まるで、行き場を失った免疫が、アレルギーを引き起こしているようにも見える。もともとは反応しなかった花粉などに反応を始めたようにも見えるわけです。

衛生仮設
清潔になった生活が免疫に負の影響を与えている。

このように免疫異常が清潔すぎる生活から生まれてきたというのが衛生仮説です。

 Point

衛生状態の良いところで育つと免疫異常につながる!

腸内細菌との共存

菌というのは使われ方ではイメージは良くないですよね。でも最近、見直されているような気がしませんか?

乳酸菌飲料などが人気ですしね。衛生仮説の本質は、菌だと思います。実は人間は菌がいないと生きていくことができないし、いろんな不具合が出てくるんもんなんですね。

菌のないところで育った実験用のマウスと普通の環境で育ったマウスでは、どちらが長生きすると思いますか?

正解は無菌のマウスなんです。無菌状態なら長生きできる。ところが、無菌のマウスの免疫はやっぱり弱い。だから、無菌でなくなった途端に、すぐに死んでしまいます。免疫は菌のいる環境の中で強くなっていくものなんですよね。

無菌のマウスの免疫
無菌のマウスは菌がいる環境に出ると免疫が弱いので生きられない。

それだけじゃないんですよ。菌は皮膚にもいますよね。皮膚を洗い過ぎると菌がいなくなる。それは皮脂が少なくなることにつながる。荒れた肌は病原菌が侵入しやすくなりますね。

悪い菌が繁殖しないような弱酸性の肌は理想です。弱酸性の肌を作るのも実は菌の力なんですね。これが皮膚常在菌。このへんはシャンプーについての記事にも書いています。

菌との共存について、同じようなことが腸でも言うことができます。腸内細菌です。

腸内細菌と免疫の関係

免疫は腸で作られるということは聞いたことがあるでしょうか。免疫を強くすると病気になりにくいと言われます。

それは、細菌やウイルスに対する抵抗力が高まる。感染症になりにくい。それから体内のガン細胞を排除するのも免疫の仕事です。この免疫と深い関係があるのが腸だと言われています。

腸には100兆個もの腸内細菌が暮らしています。皮膚や口の中にも菌がいますが、それとは比べ物にならないほどの数、そしてたくさんの種類の菌が腸にはいるんですね。

人間が共生している菌の数
体にいる菌の数は腸の中が最も多い。理化学研究所の資料より作成

菌の数と比例するかのように、腸には免疫細胞もたくさんある。こんなに免疫が集まっている場所は他にありません。

 Memo

腸管をはじめとする粘膜組織には、全免疫細胞の60~70%が集まっています。粘膜免疫系と言われ、体の中で最大の免疫組織となっています。

そして、腸内細菌は免疫を作る手助けもしているんです。だから、腸内細菌を大事にしないと、免疫も弱くなる。免疫異常である自己免疫疾患も起こりやすくなると言えるのでしょう。

 Point

腸には免疫が多く集まっている!

制御性T細胞

自己免疫疾患を免疫細胞という点から見てみると、とても重要な役割の細胞があります。それが制御性T細胞と言われるものです。

自己免疫疾患は一般的にTh17という細胞が引き起こしていると言われています。そのTh17を制御するのが制御性T細胞で、Tregとも言われる免疫の一種。

例えば、体内に侵入したウイルスがいて、それを免疫が攻撃した時に、一定のタイミングで攻撃は終わらなければいけません。それに、自分の正常な細胞や組織に対して攻撃してはいけません。

そういったルールを無視しているのが円形脱毛症などの自己免疫疾患なんですが、言わば、攻撃を止められていないことが問題なんです。

免疫寛容とは、免疫が攻撃しないことを言います。免疫は自己と非自己を見分けて、非自己を攻撃する。その一方で自己を攻撃しないということも必要です。それが免疫寛容。この免疫寛容の破綻が自己免疫疾患だとされています。

なぜ免疫寛容がうまく働かないのか。それは制御性T細胞の働きが不足しているとも考えられます。免疫が強すぎるから自己免疫疾患が起こると言うよりも、免疫を止められないから自己免疫疾患が起こっていると言ったほうが正確なように思います。

Tregの役割
Tregは免疫の攻撃をストップさせる役割。

免疫を止める役割を担っているのが、制御性T細胞(Treg)なんですね。

なぜ円形脱毛症になったのか

では、どうして円形脱毛症になってしまうのか。毛包を攻撃している免疫はT細胞だと言われています。

先ほどの衛生仮説というところをスタートにするならば、清潔すぎる環境では腸内環境にとってはよくありませんよね。腸内環境が整うというのは、いろんな細菌がいることなんですね。

その細菌がいる環境の中で免疫をコントロールするための細胞が作られている。どの細菌がいれば円形脱毛症にならないというような単純なものでもないとは思いますが、一部の菌がナイーブT細胞からTregへの分化を誘導しているという研究があります。

参考:

腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ - 理化学研究所

http://www.riken.jp/pr/press/2013/20131114_1/

いろんな要因が重なって円形脱毛症が起こるのでしょうけど、例えばストレスですよね。これも免疫を弱めると言われていますし、腸内環境も悪玉菌が多くなると言われたりします。

遺伝や環境で起こる疾患ではありますが、生活習慣の中で円形脱毛症が作られやすい条件が生み出されているような気がする。その生活習慣とは、腸内環境を悪化させるようなことを言うのではないでしょうか。

 Point

腸内環境の悪化が自己免疫疾患にも影響する!

なぜ円形脱毛症は治らないのか

円形脱毛症は数ヶ月で治る人もいれば、長期化する人もいます。一時的に免疫に問題が起こるだけで終わるのか、それともずっと免疫異常を続けるのかの違いですね。

これも衛生仮説を根拠にするならば、生活習慣に問題があるわけですよね。ストレスの多い環境だからといって、円形脱毛症になるとは限らないし、そのストレスがなくなったからと言って、円形脱毛症が治るというものでもない。そこには生活習慣の違いがあるんですよね。

生活習慣を見直すことが、円形脱毛症の回復には必要なことで、腸内環境を整えることもその中の1つであると思います。しかも、かなり重要で直接的に関わる問題だと思うわけです。

円形脱毛症の回復に必要なこと

こうして見てくると、今まで、どうして腸内環境にたどり着いていなかったのかが不思議なんですよ。TregとかTh17のような免疫細胞は1990年代には見つかっていたわけですし、その後もかなり熱心に世界中で研究されている。

それでも円形脱毛症には、免疫を弱める薬があるだけでした。いつまでこれを続けますか?

円形脱毛症の治療と再発
円形脱毛症は根本から治さないと繰り返す。

そろそろ自分で治す時期じゃないかと思うんです。病院で治らなかった人は特に。免疫の研究は進んでいますが、だいぶやるべきことは見えてきたような気が私はしているんですね。

私たちには生活習慣を変えることぐらいしかできないんです。だけど、それが最も回復への近道だとも思います。生活習慣をどうかえるべきか。腸内環境を考えることから始めてみることです。

 Point

生活習慣を変えることが円形脱毛症の治療にはとても大事!

まとめ

円形脱毛症を引き起こす自己免疫疾患は、増えています。そこには衛生仮説で言われる清潔すぎる生活習慣があります。結局、人間は菌と共存することで、健康に生きていくことができるということを言っているのではないでしょうか。

清潔すぎる、例えば、洗いすぎるといった問題もあるのかもしれませんが、それと同時に腸内環境を悪化するような食生活も影響していると思われます。

腸内環境と免疫の関係、また免疫細胞のTregと腸内細菌の関係、これらから生活習慣の重要性が見えてくるように思います。

この記事のポイント

  • 免疫異常を引き起こす理由とされているのが衛生仮説!
  • 衛生状態の良いところで育つと免疫異常につながる!
  • 腸には免疫が多く集まっている!
  • 腸内環境の悪化が自己免疫疾患にも影響する!
  • 生活習慣を変えることが円形脱毛症の治療にはとても大事!
円形脱毛症は清潔な生活がよくない?衛生仮説が教える治療のヒント!

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