円形脱毛症の治し方

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アトピー性皮膚炎だと円形脱毛症になりやすい?どんな関係がある?

円形脱毛症の症状

この記事のポイント

こんにちは。円形脱毛症はアトピー性皮膚炎を発症していると、症状が重症になるとも言われています。アトピーはアレルギー疾患、円形脱毛症は自己免疫疾患ですが、その共通点は何でしょうか。近いものであることは確かですよね。回復や予防、重症化を防ぐためにも知っておきたいことがあります。

円形脱毛症との発症がよく見られる疾患がいくつかあります。その1つがアトピー性皮膚炎。アレルギー疾患の1つで、強烈なかゆみを特徴とする疾患ですよね。

アトピーと円形脱毛症の共通点は免疫疾患であることです。また、アトピー性皮膚炎を発症したことがある人の場合、円形脱毛症の悪化が見られるという傾向もあります。

アトピー性の円形脱毛症

日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインでは、円形脱毛症患者800人のうち、187人がアトピー疾患を合併していたと書かれています。これは23%で4〜5人に1人はアトピー性皮膚炎であるという計算です。

円形脱毛症とアトピー性皮膚炎の合併
円形脱毛症患者の23%にアトピー性皮膚炎が見られた。(円形脱毛症診療ガイドラインより)

円形脱毛症では症状の違いによって、単発型、多発型、全頭型、汎発型、蛇行状脱毛などがありますが、この順でアトピー疾患との合併がどんどん多くなっています。つまり、症状が重症であるほど、アトピーを合併している確率は高いということですね。

円形脱毛症の重症化とアトピー性皮膚炎の関係
アトピー性皮膚炎の人は円形脱毛症が重症化しやすい傾向。

次に私が調べた調査結果。Yahoo知恵袋というサイトで、円形脱毛症に関する質問を見てみると、過去1年ですが、円形脱毛症でありながらアトピー性皮膚炎であると、書いている人が665件の中に12件ありました。

他にも合併症として、甲状腺の疾患、うつ病、不眠症といったものもありますが、アトピーは比較的多い方だと思います。

それなりの率で合併が見られるので、どちらかの疾患である人は、合併が起こる可能性も考えておく必要があるのかもしれませんよね。

両者に共通する免疫異常

アトピー性皮膚炎と円形脱毛症に共通するのは、免疫に他なりません。どちらも免疫の過剰反応と考えられている症状です。

アトピー性皮膚炎
アレルギーの症状の1つで、免疫が過剰に反応する疾患。
円形脱毛症
自己免疫疾患の1つで自分自身に対する過剰反応による疾患。
アレルギー疾患と自己免疫疾患の違い
アレルギー疾患と自己免疫疾患の違い。

免疫は正常であれば、菌やウイルスなど、体にとって害のあるものを排除するものです。アトピー性皮膚炎も、円形脱毛症も、体に害のないものに対して、免疫が反応してしまい、症状が出るということなんですよね。

これは免疫の異常です。この点が、両者に共通していることでしょう。

Point 円形脱毛症とアトピー性皮膚炎は、免疫異常という共通点がある!

アレルギーと円形脱毛症の関係

アレルギーにはアトピー性皮膚炎だけでなく、花粉症や食物アレルギーなどもあります。これらも同じように、体に害のないものにも免疫が反応してしまって起こる症状。

円形脱毛症との関係についてはどうなのでしょうか。

私の考察による部分も含みますが、免疫の観点から考えると、同じものが原因になっているように思えるんですよね。

アレルギーも自己免疫疾患も、「免疫寛容」に問題があるということ。免疫寛容とは、免疫の過剰反応を防ぐ働きのことです。これができないから症状が出てしまう。

参考:

アトピー性皮膚炎患者に特有の何らかの要因によって、制御性T細胞の機能障害のために抑制できていないのではないかと推論できる

アトピー性皮膚炎における自己免疫寛容の破綻に関する研究

参考:

自己免疫寛容が制御できるようになれば、自己免疫疾患や臓器移植で問題となる拒絶反応、さらにアレルギー性疾患など、免疫反応の異常が引き起こす病気の治療に役立ちます。

死細胞の貪食による免疫寛容誘導のメカニズムを解明

参考:

アレルギー疾患の本質は、 食物や花粉など通常無害である抗原に対する過敏反応であり、これらアレルゲンに対する免疫 学的な寛容状態が破綻した状態であると考えられる。

アレルゲンに対する免疫寛容に与えるワクチンアジュバンドの影響明

免疫は自分の細胞に対しては反応しないようになっている。そして、反応してしまう免疫細胞は、存在を許されずに殺されてしまいます。ところが、それでも自分を攻撃してしまう場合があります。なぜそうなるのか、それは、免疫の病気に対しての防御態勢によるのでしょう。

ウイルスへの対抗

ウイルスの数はものすごくたくさんあります。そのすべてに対応できるように免疫は準備をします。Aというウイルスに反応する免疫、Bという細胞に反応する免疫というように、準備がされています。

でも、ウイルスの数と同じ数だけ準備することはありません。ウイルスの特徴となる指標を組み合わせるようにして、AとBの特徴を組み合わせてCにも対応できるようにする。そんなやり方をしています。

その結果、自分の細胞や組織に反応してしまう免疫が生まれてしまいます。AとBを組み合わせたら、たまたま自分の細胞の特徴に近いものができてしまったようなケースですね。

免疫の反応
抗原が自分の細胞と構造が似ている場合に免疫は攻撃するとも考えられている。

その場合は、自分への攻撃をする免疫を排除できれば問題ないのですが、体内で攻撃してしまうこともあるんですね。同じようにアレルギーでも、花粉と似た特徴を持つウイルスを攻撃するための免疫が、花粉を攻撃するようになるのでしょう。

でも、それでは体にとって都合がよくないので、この免疫の反応を抑える方法があります。それが先ほど言った「免疫寛容」の仕組みでもあります。

円形脱毛症もアトピー性皮膚炎も、免疫寛容の機能に障害があると考えられます。免疫の必要以上の反応を止めることができていないっていう意味では。

 Point

免疫寛容の仕組みが破綻すると、円形脱毛症やアトピー性皮膚炎の症状が出る!

免疫を正常にするには

免疫寛容は本来の健康な状態ならば、正常に働きますから、何も意識しなくていいいわけですよね。ところが、円形脱毛症やアレルギーといった不快な症状として出てしまうと、放っておくわけにもいきません。治療しなければいけないわけですね。

では、どのように治療するのか。病院での治療経験がある方は知っていると思います。アレルギーでも円形脱毛症でも、基本的にはステロイドという薬で治療を行います。ステロイドは副作用を気にする人もいますが、これは免疫の反応を抑制する薬なんです。

ここに矛盾を感じるんですよね。免疫の反応を抑えるのは、もともと免疫の中に組み込まれた「免疫寛容」という仕組みなんです。その免疫の仕組みを弱めるってことが本当に正しい方法なのかは疑問に思えます。

だけど、アトピー性皮膚炎や自己免疫疾患では、免疫抑制剤を使うことが一般的なんです。これでは根本的な解決にはならないんですね。もっと本質から考えないといけないということです。

 Point

免疫を弱める効果のあるステロイドの使用は根本的な解決にならない!

アトピーと円形脱毛症の治療

アトピーと円形脱毛症の原因を探れば、そこには免疫の問題があり、とくに免疫寛容についてのトラブルが考えられるわけです。となると、私たちは、免疫を正常にすることを考えなきゃいけないんですよね。

これはアトピー性皮膚炎でも、円形脱毛症でも同じで、両方が合併しているのであれば、なおさら、免疫異常を止めなければいけません。

アトピー性皮膚炎が円形脱毛症の重症度と関係があることを考えれば、早めに対応することで、円形脱毛症の進行を止めることもできるのではないかと思います。

アトピー性皮膚炎と円形脱毛症の共通点
免疫異常を止めて重症化を阻止する。

病院での治療は必要か

私は円形脱毛症だけの症状ですが、病院に行くことはやめました。先ほども言ったように、結局は対処療法であって、完治することはありません。そのため、私の円形脱毛症は髪が生えても、また再発しています。

アトピー性皮膚炎のステロイドの使用は癖になり、さらに強い薬が必要になるとも言われます。強いということはさらに免疫を弱めるということになるわけですよね。私は免疫を薬の力で抑制するという方法が正しいとは思えないんです。

薬の使用と根本治療
薬を強くしていっても治療にはなっていない。

本来、体に持っている免疫の働きを正常化することで治るんですからね。

参考:

事実,ステロイド剤はリンパ球の活性化を抗原非特異的に抑制するので、様々なアレルギー疾患の治療薬として使われている。 しかしながら、同時に感染防御やがん細胞排除に必須なリンパ球の働きも弱めてしまうため、慎重な処方が必要とされる。 また、抗ヒスタミン薬やその他抗アレルギー薬の多くも対症療法としては有効ではあるが、病気を治癒させることには働かない。

アレルギー疾患の予防・治療の展望

回復のためのポイント

今まで薬に頼ってきた人は、急に薬を使わなくなれば、症状が悪化することもあるはずです。ですが、薬での対処は、いつまでも薬に頼らざるを得ないんですよね。これはちょっと治療とは違うと思いませんか?

薬を使いながらでもいいですけど、免疫を正常にしようとする努力も必要じゃないかと思うんですね。とにかく、現状では免疫に問題があることは確かです。それが円形脱毛症とアトピー性皮膚炎という形で現れたということでしょう。

でも、それで終わりとも限りません。アレルギーは他にもいろいろありますしね。自己免疫疾患は全身に痛みを伴うような病気まであります。円形脱毛症の合併症として見られるものはいくつもあるんです。

自己免疫疾患の種類
自己免疫疾患には円形脱毛症以外にもいろいろある。

これらの病気にならないためにも始めるべきだと思います。免疫が正常になることは何の副作用もないわけで、他の病気も防げるし、さらに円形脱毛症の重症化や再発も防ぐことにつながってきますよね。

では、どうやって免疫を改善していくのか。それが腸内環境です。

腸内環境から免疫を鍛える

円形脱毛症もアトピー性皮膚炎も病院に行くなら皮膚科に行くわけです。これも本当にそれでいいのかという気がしてならないのですが、私たち患者も同じようなところがあるんですよね。

皮膚のかゆみ、髪の脱毛。こういう症状が出ると、どうしてもその部分に集中してしまう。髪が抜けるのは頭皮の問題じゃないかと考えるわけです。それで頭皮マッサージをするんです。頭皮マッサージが悪いわけじゃないですけど、もっとやるべきことはあるわけですよ。

円形脱毛症もアトピー性皮膚炎も皮膚科に行く
皮膚の疾患だと思い、皮膚に関心が行ってしまうが…。

皮膚科の先生も同じだと思います。皮膚を中心に考える。これだけ円形脱毛症は自己免疫疾患と言われているのにですよ。それなのに、皮膚科の先生が作った円形脱毛症診療ガイドラインに腸内環境が出てこない。これっておかしいんですよね。

免疫は腸が基本なんです。腸は食べ物を吸収するところですからね。害になるものは排除する必要がある。そこで免疫は腸にたくさん集まっています。そして腸で免疫は作られています。

免疫寛容という仕組みで、大きな役割を担っていると考えられる「制御性T細胞」という免疫細胞があります。この細胞は胸腺というところで作られるのですが、腸でも作られていることがわかっています。そして腸で作られるためには、腸内環境が重要なんですね。

腸内環境というのは腸にいる菌がどのような構成で棲んでいるのかという話。それを腸内フローラと言いますが、いろんなことが影響で、腸内環境は崩れてしまいます。例えば、ストレス。また、逆に免疫からの影響も受けるとも言われています。だから、腸内細菌と免疫の関係はとても重要なんです。

免疫に異常がある。それなら腸内環境を整えることは、すごく当たり前のことなんですよ。

 Point

免疫の異常は腸内環境と強い関連性がある!

免疫を高めるための腸内環境

免疫にとって腸内環境が重要と言いましたが、その改善には何が必要でしょうか。腸内環境と言うと、一般的には「乳酸菌」「ビフィズス菌」などがありますよね。乳酸菌飲料なんか、いろんな種類がありますからね。こういった菌を食べて取り入れることを「プロバイオティクス」と言います。

これとは違い、すでに棲みついている菌のエサになるようなものを食べるのも有効です。それは「プレバイオティクス」と言います。例えば、オリゴ糖や食物繊維などが挙げられます。

腸内フローラの改善
乳酸菌や食物繊維が腸内環境を整える。

乳酸菌やビフィズス菌、食物繊維を含む食品を摂っていますか?

腸内環境を整えるために実践してみてください。もっと突っ込んでいうと、腸内細菌はおよそ1000種類も存在すると言われています。その中で、「免疫寛容」の働きをする制御性T細胞を作るための菌も見つかっています。そして、酪酸という成分が制御性T細胞を作るために必要だということも言われています。

まとめ

免疫が正常ではないからこそ、円形脱毛症やアトピー性皮膚炎が発症しています。免疫異常を改善することが何よりも治療につながると考えます。そのために注目して欲しいのが、免疫寛容の仕組みであり、その働きのためには腸内環境を整えることも重要です。

免疫の過剰反応を抑えると言われる制御性T細胞も腸で作られており、そのために必要な酪酸という成分も注目されています。

この記事のポイント

  • 免疫寛容の仕組みが破綻すると、円形脱毛症やアトピー性皮膚炎の症状が出る!
  • 免疫を弱める効果のあるステロイドの使用は根本的な解決にならない!
  • 免疫の異常は腸内環境と強い関連性がある!
アトピー性皮膚炎だと円形脱毛症になりやすい?どんな関係がある?

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