円形脱毛症の治し方

20年以上も続く円形脱毛症の患者が勝手なことを書いてるサイト。

アレルギーや甲状腺疾患…円形脱毛症と合併する病気はなぜ起こる?

円形脱毛症の症状

この記事のポイント

こんにちは。円形脱毛症には他の病気を合併するケースがあります。調べてみると、様々な症状が一緒に起こることがわかります。知恵袋のサイトで見ると、たくさんの病気が併発しているんですね。それらの病気や症状を整理することで、円形脱毛症の治し方が見えてくるのではないかと思います。

円形脱毛症は単独で起こる場合もありますが、他の病気との合併症として起こることもあると言われます。病気と言わないまでも、体の不快な症状が伴うことも多いようです。どんな症状が伴うのか、そしてそれはどうしてなのか。

他の症状との関係を見ることで、円形脱毛症を治すためのヒントが見つかりそうな気がします。 免疫がポイントだと思います。

円形脱毛症と併発している病気や症状

Yahoo知恵袋というサイトがありますよね。だれかが質問してだれかに回答してもらうサイトです。質問している人は悩んでいる人。

その質問の中には円形脱毛症に関するものも多く見られます。1年分の質問から円形脱毛症に関する質問を抽出してみました。すると665件もありました。

知恵袋の円形脱毛症の相談件数
知恵袋のサイトには1年で665件の質問があった。

 Memo

2016年12月までの1年間の質問から円形脱毛症という言葉が含まれ、悩んでいることが読み取れる質問を対象に調べました。

さらにその中には、他の病気との併発を書いているものが13%ほど見られました。どんなものがあるのかを見てみます。

併発していた症状

皮膚
アトピー/とびひ/蕁麻疹/ニキビ/湿疹/肌荒れ/多毛症
循環器
動悸・息切れ/高血圧/リンパ腫れ
呼吸
喘息/過呼吸
精神・神経
脅迫神経症/うつ病/不眠症/神経疾患/ADHD/アスペルガー/精神病/自律神経失調症/神経疾患/精神病/摂食障害/産後鬱/統合失調症/自傷行為/適応障害/対人恐怖症
生殖
梅毒/ヘルペス/膣炎
消化器官
胃痛/腹痛/嘔吐/腹違和感/過敏性腸症候群
頭痛
甲状腺
メニエール病/甲状腺/バセドウ病
耳鼻
中耳炎
口腔
歯痛/顎関節症/口内炎
その他
肥満/咳・首・目の異常/腰痛/ものもらい/痔/やせ/吐き気/体調不良/風邪/疲労/肝機能/金縛り/食欲不振/発熱/冷え性/体重増加/むくみ/肩こり/緑内障/乳房のしこり

たまたま重なった病気や症状もあるとは思いますが、いろんなものが出てきました。他に何も異常がなく円形脱毛症が起こることもありますが、他の症状が重なることもあるということでしょうね。

円形脱毛症と合併する疾患
円形脱毛症には様々な病気や症状が合併している。

 Point

円形脱毛症と併発する形で様々な症状が現れることもある!

円形脱毛症診療ガイドラインでの記載

円形脱毛症と併発する疾患にはどんなものがあるか、日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインに記載があるんです。以下の症状との合併を取り上げています。

  • 橋本病などの甲状腺疾患
  • 尋常性白斑
  • SLE
  • 関節リウマチ
  • アトピー性皮膚炎
  • 気管支喘息

このような疾患と併発しているケースが多いと言っています。私が知恵袋で調べたものの中にも同じものがあります。

どんな病気で円形脱毛症が起こるのか

円形脱毛症と併発する病気を少し整理してみたいと思います。

自己免疫疾患によるもの

SLEや関節リウマチ、甲状腺の疾患は、自己免疫疾患とされているものです。円形脱毛症も自己免疫疾患なんですね。つまり、併発するケースでは、症状が複数出ているわけですが、その元をたどると、やはり免疫疾患にたどり着くということなんですよね。

自己免疫疾患の症状
自己免疫疾患には臓器特異性のものや全身性のものがある。

アレルギー疾患

アトピーやぜん息はアレルギー疾患と言われています。アレルギー疾患とは、免疫の抗体であるIgEという数値が上昇する場合に発症します。これも結局は、免疫の異常だと言われています。

円形脱毛症と合併するアレルギー
アレルギー疾患も合併する症状としてよく見られる。

精神的な病気

自己免疫疾患、アレルギー以外で目立つものとしては、精神的な疾患ですね。うつ病をはじめとして、自律神経失調症、産後鬱がある人もいました。

皮膚に関するもの

皮膚にあらわれる症状は、蕁麻疹、ニキビ、湿疹、肌荒れなどの症状。消化器系の腹痛、嘔吐、過敏性腸症候群などが出てきました。

精神的な病気や皮膚病の合併
精神的な病気や皮膚の病気も円形脱毛症と一緒に起こっていた。

これらは、ネットへの書き込みを元にしていますし、多くの人にあらわれる症状というよりは、たまたまそういう人もいたというぐらいに捉えるのが正しいんだと思います。

ですが、私はなんとなく、ここに円形脱毛症の原因や対処法を考えるためのヒントがあるような気がしてなりません。

大きく考えるならば、免疫の異常から円形脱毛症とともに別の症状を発症するケース。それと自律神経の乱れから発症するケースというのがある気がします。もう1つ重要なのが消化器系の疾患ではないかと思うんですね。

病気を治せば円形脱毛症も治る?

例えば、甲状腺疾患と円形脱毛症が併発する場合、円形脱毛症で皮膚科を訪問して、薬を処方されて終わりではよくないですよね。ちゃんとした検査も必要だと思われます。ただ、両方とも免疫に関係しているものであることも事実なんですよね。

合併症として起こるとすると、例えば、甲状腺疾患の1つの症状として円形脱毛症が起こるような考え方もできますよね。その場合、甲状腺疾患を治すことが先決で、その結果、髪への影響も治癒に向かうようなイメージ。

甲状腺疾患と円形脱毛症の関係
甲状腺の疾患が治れば円形脱毛症も治る?

風邪をひいた時に、喉が痛いとか、鼻水が出るとか、頭痛がするとか、いろんな症状が体に一緒にあらわれます。これらは風邪が治れば(風邪のウイルスを退治すれば)、すべての症状が出なくなる。これが普通です。

風邪で言えば、鼻水が出るのも高熱が出るのも、免疫が働いているからです。ウイルスをやっつけるために免疫が働いている証拠ですよね。

風邪の症状はいろいろ
風邪のウイルスによって体にはいろんな症状が出る。

私たちが円形脱毛症をどうとらえるべきかということにも関わってきます。症状とは何なのかという話なんですよね。

例えば、風邪の場合の鼻水とか咳ですよ。あれは菌を排除するための仕組みですよね。そのために出る症状なわけです。この症状を乗り越えると、風邪のウイルスが体内からいなくなる。そして健康になる。

円形脱毛症で言えば、髪が部分的に抜けるというのが症状なんですよね。この場合も同じように考えれば、その症状は体を健康にするために起こっているという可能性もあるのではないかと思ってしまいます。

円形脱毛症と風邪の比較
円形脱毛症も体が健康になるために出た症状?

ただし、円形脱毛症がウイルスで起こるわけではないのも事実ですね。となると、やっぱり免疫異常だということになるんでしょうか。

ちょっと話がそれましたが、円形脱毛症と併発する病気に、免疫と関わっているもの、自己免疫疾患やアレルギーが多いことは重要ですね。

これは免疫異常から出ている症状なわけですから、免疫を正常に働くようにすれば、どちらの症状も改善されるということですよね。どちらがメインということではなく、免疫異常を、発症の源として、いくつかの疾患が同時に現れているという状況だと思います。

免疫と症状の関係
免疫を正常に働くようにすれば改善される。

 Point

自己免疫疾患やアレルギーは免疫異常を原因とする症状として円形脱毛症と併発しやすい!

免疫異常について

アレルギーと自己免疫疾患は、どちらも免疫疾患だとされていますが、細かく言えば、違うんです。

アレルギーは自分自身ではなく、体外から入ってくる害のないものに対しての免疫の過剰反応。自己免疫疾患は、自分自身の体内の組織に対する免疫の反応です。

アレルギー疾患と自己免疫疾患
アレルギー疾患と自己免疫疾患の違い。

病気のウイルスは体にとっては敵です。一方で花粉症の原因となる例えばスギ花粉は、敵ではないのです。また自分の体だって敵であるはずがありません。

免疫には、敵を攻撃する機能があって、それと同時に敵ではないものに攻撃しない、攻撃を抑制する機能が備わっています。これを「免疫寛容」と言います。ところが、無害なものや自分自身を敵とみなして、攻撃してしまう。

免疫の抑制
免疫の必要以上の攻撃は抑制される。

免疫寛容の機能に異常があるということなんですよね。

 Point

免疫寛容の機能に異常があるから円形脱毛症は起こっている!

腸内環境の重要性

さて、免疫異常が原因でいくつかの疾患が併発することがあるのですが、併発する疾患の中に消化器系の病気も含まれていましたよね。

いろんな疾患が出ているので、少しぐらい消化器官の疾患があっても別に気にならないかもしれません。でも私は、ここが気になるんです。

近年、免疫というと、腸内環境だと言われていますね。腸の中には100兆個以上の細菌が棲みついていて、その構成は「腸内フローラ」と言われています。善玉菌が悪玉菌より多いほうがいいとかって聞きますよね。乳酸菌が含まれる乳酸菌飲料もいろいろと売られています。

腸内フローラ
腸内には1000種類、100兆個以上の細菌がいる。

腸では体の中の免疫全体の70%が作られるとも言われ、免疫と腸は密接な関係があるんです。最近の研究では、腸がどこまで免疫に関係しているのか、自己免疫疾患やアレルギーに腸内環境が果たす役割もわかってきています。

免疫寛容に問題があると先に書きましたが、では免疫寛容はどのように行われているのか。いくつかの仕組みがあるのですが、その1つに「制御性T細胞」という免疫の細胞の役割があります。

制御性T細胞は「Treg」とも言われ、免疫の抑制のために働く細胞です。この細胞を体から取り除くと、体内では自己免疫疾患が起こります。再び制御性T細胞を戻してやると、自己免疫疾患は改善します。

Tregと自己免疫疾患
Tregの有無が自己免疫疾患の発症に影響する。

このことから、アレルギーや自己免疫疾患にとって、制御性T細胞が不足している、機能が低下していることが考えられています。

この制御性T細胞は、最初から制御性T細胞として生まれてくるんじゃないんですね。最初は「ナイーブT細胞」というもので、そこから分化して制御性T細胞となります。

ナイーブT細胞からは、敵を攻撃するためのT細胞も作られます。攻撃するT細胞になるか、それとも攻撃を止めるT細胞になるか、運命が分かれていくということです。

どのように運命が決められていくのか。ここはまさに研究されているところだと思いますが、注目されているのは腸内環境です。腸にいる菌。

腸にいる菌は、人間が口から摂り入れた食べ物を食べています。その過程でいろいろな物質を作っているんです。それが人間にとって大切な栄養になったりもしています。

腸内細菌の健康
腸内細菌が人間の健康に大きく関わっている。

例えば、乳酸菌という善玉菌がいますけど、これは乳酸を作る。このように、菌が作り出したものが、人間にとって欠かせないものになることがあります。

そして、腸の中で制御性T細胞が作られる過程にも菌の力が必要だと言われています。ナイーブT細胞から制御性T細胞への分化に影響を与えているのもやはり菌なんですね。

 Memo

慶応大学の本間賢也教授らの研究では、この過程で酪酸が重要で、その酪酸を作っているのが、クロストリジウムという菌であると言っています。

病気と腸内細菌の関係

腸内環境が健康に影響していることはいろんな本でも書かれていますよね。例えば、髪のためにビタミンは必要だと言われます。ビタミンも菌が合成しなければ腸から取り込むことができないのです。

ビタミンのサプリメントを髪のために飲んでいる人もいるわけですが、腸内環境が良くない状態では、体に取り込めないわけですね。

さらに腸の役割はすごいんですよ。最初に挙げたいくつかの疾患がありましたよね。その中には、うつ病もありましたね。

うつ病ではセロトニンが不足していると言われます。患者さんにセロトニンを補うと、改善するケースは多いようです。

では、そのセロトニンはどこにあるのかと言うと、90%は腸にあります。そして脳には5%しかありません。セロトニンは腸で作られて、脳に送られるという報告もあるんですね。これが自律神経に働きます。リラックスするんですよね。

腸内細菌とセロトニン
セロトニンにも腸内環境が影響している。

腸の病気はもちろん、精神的な疾患から、アレルギー、自己免疫疾患、そして肥満、ガンまでもが、腸内環境との関連があると言われているわけです。免疫と腸内環境の関係性は、すごく注目されているところなんです。

 Point

腸内細菌は様々な病気に影響を与えている!

円形脱毛症は治る

円形脱毛症の話に戻ります。ここまで読んでみていかがでしょうか。円形脱毛症と併発する疾患がある場合、その中心にあるのが腸内環境ではないかと思えてくるんですね。

腸内環境を改善することで、精神的な疾患、免疫の異常によるアレルギーや自己免疫疾患が、よくなることを期待させてくれるんです。まさに免疫の研究者たちはここに注目していると言っても過言ではありませんからね。

円形脱毛症が治ると私が言うのは、そういうことなんです。たぶん、薬を使ったり、育毛剤を使っても、難しいのではないかと思うわけです。

Tregと腸内環境と円形脱毛症
Tregと腸内環境が円形脱毛症にとって重要なカギ。

今、私が注目しているのは制御性T細胞、そして腸内環境、そこからの完治。円形脱毛症の治療には効果的ではないかと思っています。

 Point

円形脱毛症は腸内環境から治す!

回復に向けたアプローチ

円形脱毛症を完治するためには免疫の異常を取り除かなければいけません。免疫なんて、私たちが意識してどうにかできるようなものじゃない。勝手に作られているし、勝手に体の中を動いて、働いているんですよね。だけど、私たちにできることはあるんです。

腸内環境の重要性を言ってきましたが、例えば、便移植という方法もあるようです。健康な人の便を腸の中に移植する。けっこう抵抗がありますけどね…。それで実際に病気がよくなっているんです。ただ、別のウイルス感染などのリスクもあるようで、注意が必要です。

私たちの体の中には誰でも腸内細菌がいるわけで、その構成は人によって違う。その腸を元気にすることが重要だと思います。これが一番リスクも少ないし、簡単な方法だと思うのです。

腸内細菌を元気にするためには、私たちが好きなものを食べるのではなく、腸内細菌のためのものも食べる必要があります。それは食物繊維など、ですよね。

人間は酸素と食べ物によって体を維持しています。でも、その過程で腸内細菌の働きがないとやはり病気になってしまう。その現れとして円形脱毛症が発症したというのが私の考え方です。便秘になっているようじゃ円形脱毛症は治らないんですよ。

腸内環境の改善への取り組みはまた別のページで書きたいと思います。

まとめ

円形脱毛症には他の疾患が併発するケースがあります。様々な疾患が併発するわけですが、その原因として免疫異常が考えられます。また、自律神経失調症やうつ病なども起こっています。

自己免疫疾患やアレルギーには、免疫の反応を抑制する制御性T細胞の存在が重要です。これらに影響のあるものとして、腸内環境の悪化が考えられます。腸内環境を改善することで、円形脱毛症や、併発する疾患を改善できるのではないかと思います。

この記事のポイント

  • 円形脱毛症と併発する形で様々な症状が現れることもある!
  • 自己免疫疾患やアレルギーは免疫異常を原因とする症状として円形脱毛症と併発しやすい!
  • 免疫寛容の機能に異常があるから円形脱毛症は起こっている!
  • 腸内細菌は様々な病気に影響を与えている!
  • 円形脱毛症は腸内環境から治す!
アレルギーや甲状腺疾患…円形脱毛症と合併する病気はなぜ起こる?

関連記事