円形脱毛症の治し方

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日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインから読み取るべきこと

円形脱毛症の治療

この記事のポイント

こんにちは。円形脱毛症診療ガイドラインを知っていますか?いろんな情報が載っているので病気のことや治療について理解するために、とても参考になります。 少し難しい部分もあるので、ここで説明を加えながら見ていきたいと思います。円形脱毛症を治すためのヒントがたくさんあります。

日本皮膚科学会が作っている「円形脱毛症診療ガイドライン」。

17人の大学の先生の名前が書かれています。言わば円形脱毛症の専門家の先生ですね。その専門家の先生たちが、これまでの治療や研究データをもとに、どんな治療が効果的なのかを書いたものです。

これが2010年に作られて、3~4年ごとに改定するとされています。その後の改定はされているのかどうかわかりませんが、私たちが見られるのは2010に作られたものです。

参考:

日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2010

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913324_2.pdf

円形脱毛症になった人なら、治療のことは気になりますよね。でも、ガイドラインをよく見たことがあるでしょうか。見ておいて損はないですよ。

書いてある内容を順に見て行こうと思います。

円形脱毛症診療ガイドラインの背景と目的

円形脱毛症診療ガイドラインの冒頭では、背景と目的について書かれています。まとめると、次のようになると思います。

「円形脱毛症は治療の難しい病気。皮膚科でも何が正しいのかの判断は難しい。患者にとっても治療に納得できることが大事で、両者にとって科学的根拠に基づいた診療ガイドラインが必要。」

つまり、皮膚科の治療に使うための指針というだけでなく、患者が見ることで、治療を理解することも重要だと言っています。だから、私たち患者は見なきゃいけないんです。

「背景」として書かれているのは、円形脱毛症が人口の0.1〜0.2%に発生しているということ。これはアメリカのデータで日本でも同じぐらいだと書かれています。

 Memo

新潟大学の伊藤雅章先生(ガイドライン作成者の1人)によると、患者は1〜2%とあって、10倍も違っているなという印象はあります。

また、脱毛面積が広いほど、治りにくいとも書かれていますね。

ガイドラインの位置づけ

ガイドラインは治療の一助となるもので、個々の患者の治療では医師の裁量を規制しないと書かれています。

なので、これを見た患者が、皮膚科の先生の治療を批判するようなものではなくて、その先生は自分の経験を活かしながら、治療法を選択しているということですよね。

治療方針の参考とするものが、円形脱毛症診療ガイドラインです。絶対ではありません。

ガイドラインの特徴

「円形脱毛症は身体的な障害がない」と書かれています。その通りで、痛みがあるというものでもなければ、放置すると死に至るようなものでもありません。

ところが、ものすごく気になる病気なんですよね。「患者の悩みは深く、精神的ダメージによりQOLの低下を見るのが普通」と書かれています。

だから、皮膚科はあらゆる治療の方法を用いて治さなくてはならないと言うんです。

いいこと言っています。そのために、治療法ごとの効果の推奨度をまとめますということなのです。

円形脱毛症の臨床

円形脱毛症の特徴が書かれています。

  • 自覚症状や前駆症状はない
  • 円形から斑状の脱毛斑
  • 頭部だけでなく、毛髪が存在するあらゆる部位で生じる
  • かゆみや違和感、淡い紅斑がある場合もある
  • 萎縮や瘢痕は残らないが、陥没することはある
  • 簡単に抜ける髪が診断の決め手になる
  • 重症になるとまゆ毛、まつ毛、髭、また全身にも出る
  • 爪の点状陥没があることもある

円形脱毛症の分類・重症度

脱毛部分の数や範囲、形態によって、単発型、多発型、全頭脱毛症、汎発性脱毛症、蛇行状脱毛症に分かれています。

汎発性脱毛症は、脱毛が全身に拡大したもの、蛇行状脱毛症は頭髪の生え際が帯状に脱毛するものです。

また、重症度を表す指標をS0/S1/S2/S3/S4/S5に分類しています。

S0は脱毛がない状態、S1は頭部全体の25%の脱毛、S2は25〜49%、S3は50〜74%、S4は75〜99%、S5は100%で、S5は全頭型脱毛症です。

S1からS%に行くにつれて、髪が抜けたところの面積が大きく、症状が重いことになります。

円形脱毛症の病因・病態

このへんからが重要になってきますね。病因は「自己免疫疾患」と考えられていると書かれています。その根拠は以下のようなことをあげています。

  • 毛包周囲にリンパ球という免疫細胞が観察される
  • 自己免疫疾患の合併が多い
  • 免疫に影響を与える薬での治療で効果が出る

ストレスが引き金となって誘発されているということにも触れています。

円形脱毛症には、アレルギーやほかの自己免疫疾患が合併することが多く、いずれも免疫の反応が過剰になったことによるものです。

免疫がどのような原因で毛包を攻撃するのかについてまでは、ここでは触れられていません。

円形脱毛症の遺伝

患者の8.4%に家族内発症があったという中国のデータがあります。欧米でも一親等内の場合は10倍の発症率。一覧性双生児では55%で2人とも発症すると書かれています。

また、多因子性疾患と考えられるとあります。多因子性とはいくつかの遺伝子が関わって病気が発症することです。

 Memo

ここで気になるのは、円形脱毛症に男女差はないとあることです。ただし、私が知ることのできる範囲で、日本での円形脱毛症の研究データを見ると、必ず女性の方が多くなっています。病院を受診するまでに至るのは、女性が多いということなのか、気にしやすいのが女性ということなのかはよくわかりません。

ちなみに遺伝だけでは、片付かないのが円形脱毛症で、環境による影響も強く受けていると思います。

自己免疫疾患というのも、最近増えていますが、この短期間での増加は、遺伝子の変異では説明できないものです。

円形脱毛症の合併

甲状腺疾患、尋常性白斑、SLE、関節リウマチ、重症筋無力症などの自己免疫疾患が合併することが知られているとあります。またアトピー性疾患の合併も多いとあります。

 Memo

アトピー疾患はアレルギー疾患です。自己免疫疾患もアレルギーも免疫の異常が原因とされています。自分を攻撃するのが自己免疫疾患、体外からの花粉などに過剰に免疫が反応するのがアレルギーと整理できます。どちらも「免疫寛容」という仕組みが破綻したことによるとされています。

円形脱毛症とアトピー素因

アトピー性疾患と円形脱毛症の関係について書かれています。主にデータで、合併率では小児が高いこと、重症な患者に合併が多いことがあるが、どのように円形脱毛症と関わっているのかは十分に検討されていないと言っています。

 Memo

順天堂大学などの円形脱毛症の研究では、63.8%の患者がアレルギー疾患を合併していたという報告があります。アトピー性皮膚炎などのⅣ型アレルギーが若年層に多いと言っています。

合併についてのデータを提示していて、アレルギー疾患の場合は、重症化するので、注意が必要だという内容なのですが、結局は免疫による問題ということが言えると思います。

円形脱毛症発症と精神的ストレス

ストレスが関係あるのかは科学的根拠が乏しく、よくわからないということのようです。なので、安易にストレスとの関連を唱えるべきではないとしています。

 Memo

私の経験では、昔は皮膚科の先生にストレスが原因だと言われていました。ですが、最近ではアレルギーと言われたりするんですね。でも、個人的にはストレスがやっぱりかなり関係していると思っています。円形脱毛症を知恵袋のサイトで見ると、682件のうち、242件にストレスに関することが出てきました。

円形脱毛症の治療法

ここまでが円形脱毛症の病気について書かれていまして、ここからは治療についてが書かれます。全部で22の治療法があって、それぞれに推奨度が書かれています。

円形脱毛症って、22も治療法があるんですよ。期待できそうですよね。ところがそうでもない。22の治療法には4つの推奨度が当てられています。

推奨度 意味
B 行うように勧められる
C1 行っても良いが十分な根拠はない
C2 行わないほうがよい
D 行うべきではない

最も根拠があると言えるAと判定されたものはありませんでした。そしてBと判定されたものは2つです。それが、ステロイド局所注射と局所免疫療法。

その次に推奨されるものが、ステロイドの内服、ステロイドパルス、抗ヒスタミン内服、ステロイド外用があります。15歳以下の患者はステロイドの全身投与とPUVA療法は行わないとしています。

セファランチン内服、グリチルリチン・メチオニン・グリシン複合剤、塩化カルプロニウム外用、ミノキシジル外用、冷却療法、直線偏光近赤外線照射療法は、併用療法としての利用が推奨されています。

局所免疫療法で効果が出ない場合には、PUVA療法やカツラが推奨されています。 漢方薬は現時点では推奨できない、鍼灸治療は行うべきではないと言われています。

ガイドラインには、以下のように症状別で選ぶべき治療法が書かれています。

成人の場合(16歳以上)

脱毛が25%未満の場合

症状 治療法
進行期(発症3~6ヶ月) ステロイド以外の内服、外用
症状固定(6ヶ月以上) ステロイド局所注射、局所免疫療法、ステロイド以外の内服、外用

脱毛が25%以上の場合

症状 治療法
進行期(発症3~6ヶ月) ステロイドパルス療法、ステロイドを含む内服、外用
症状固定(6ヶ月以上) 局所免疫療法、ステロイド以外の内服、外用

このようになっています。

 Memo

ステロイドパルス療法は点滴で3日間治療する方法です。局所免疫療法は、SADBEなどの化学物質を頭皮につけてかぶれさせる治療法です。

円形脱毛症ガイドラインが示す治療方針から考えるべきこと

円形脱毛症診療ガイドラインは治療することが前提なんですね。しかし、私たちの体は自分で治そうとしているのも事実なんです。

風邪をひいても、少し休めば普通は治ります。円形脱毛症もかなり多くの人が自然治癒で治っているわけです。

だから円形脱毛症はガイドラインにあるような治療がすべてではないということでしょうね。その点で、2つのことを考えて欲しいと思うんです。ガイドラインには載っていないこと。

再発について

実は円形脱毛症は再発するんです。6ヶ月で再発しなかったのは22.7%だったという大学病院の研究もあります。

ガイドラインには再発のことに触れていません。それはなぜでしょうか。皮膚科のガイドラインだからですね。私たちの目線ではなくて、お医者さんの目線だと、こうなるんです。

医者からすると、円形脱毛症は脱毛を止めるということが大事だということになります。髪が生えれば治療は成功となる。

だけど、実際はその後に再び発症することもあるんですよね。私は何度も経験している。

このへんが重要です。ステロイドの内服での治療は、中止後や減量時に再発しやすいという欠点もあります。

北里大学の論文では、そのように書かれているわけですが、私はどうも再発じゃないなという気がするんですね。

再発って、治ったのにまた発症するというイメージなんですね。ステロイドで免疫を押さえつけて、薬を止めたらまた髪が抜ける。これは、治っていない。止めていた症状が現れただけなんですよ。

そう考えると、症状を止めるのと、病気を治すことの違い、わかりますよね。もう二度とならないような治療が必要だということ、それは円形脱毛症ガイドラインの治療には書かれていないんです。

精神的な問題

もう1つ重要だと思うのは、円形脱毛症を発症した後の精神状態なんです。QOLが低下するとはガイドラインにも書かれています。

ハゲができたことによって生活の質が下がるということを言っています。

私はそれだけにとどまらないと思います。落ち込んだり、不安に思ったりすることが、円形脱毛症の治療を邪魔していると思うんです。

でも、これはお医者さんがどうこうできる問題ではないのかもしれませんけどね。

知恵袋のサイトを見ると、病院での治療に関する悩みを書いている人もいるわけですね。もはや円形脱毛症のことじゃなく、病院や先生への不信感で悩んでいる。こんなことでは治らない気もします。

いずれにしても、病院でできることは、かなり限られていると感じる部分は少なくありません。ここに気づいて欲しいんです。

病院での治療がすべてじゃないし、それだけじゃ治らない。治せていない場合が多いのです。症状を止めることにはなったとしても、同時に根本から変えることができないと、結局は再発することになりますからね。

まとめ

円形脱毛症診療ガイドラインの中身を私の感想と合わせて見てきました。

髪が抜けるという症状を止めることが皮膚科の治療であり、そのための治療法が選択されています。ですが、実際は再発もします。

それから、治療について悩むことも円形脱毛症には良くないことです。自分の体の問題ですから、自分で治すことが完治には必要だと思われます。

日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインから読み取るべきこと

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