円形脱毛症の治し方

20年以上も続く円形脱毛症の患者が勝手なことを書いてるサイト。

円形脱毛症の回復期間はどのくらい?治ったと言える状況とは

円形脱毛症の治療

この記事のポイント

こんにちは。円形脱毛症はどのくらいで治るものか知っていますか?回復までの期間は、症状や治療法によっても異なります。いくつかのデータを見ながら、回復できるのかどうかを考えてみましょう。自然に治る人も多い円形脱毛症です。あせらずに、情報を整理してみると見えてくることがありますよ。

円形脱毛症になると病院に行く人も多いと思います。

円形脱毛症は難治と言われていて治りにくいんですよね。皮膚科を受診してみても効果が出ないなら大学病院を紹介してもらって、より専門的な治療を受ける場合もあります。

病院ではどんな治療が行われていて、その効果はどんなものなのか、そしてどのくらい通院すると回復するものなのか。はじめて円形脱毛症になった人は気になるはずです。

円形脱毛症が治ったと言えるには

まず、はっきり言っておきたいんです。円形脱毛症が治るとはどういうことなのか。

私は20年以上の患者歴があります。皮膚科にもお世話になってきました。でも、治っていないんです。再発を繰り返すんですよね。

未だに治らないってことはですよ。少なくとも治ってはいない。そもそも治るってなんですか?

治るっていうのは、もう二度と円形脱毛症に苦しまなくていいってことだと思うんです。

治ったと思ったら、また別の部分で抜け毛が起こる。そして、広がる。で、医者に行く。治療してもらって治る。かと思ったら、また別の…。これ、もうやめたいんですよね。

円形脱毛症は治ったと思ってもまた再発することがある
円形脱毛症は治ったと思ってもまた再発することがある

私の場合は、何度も再発しているのでうんざりしている。でも、はじめて発症した人にとっては、とにかく髪が生えればいいという気持ちが強いと思うんです。

ただ、ちゃんと知っておいてください。円形脱毛症との戦いは長引くことがあります。

皮膚科で治療しても再発することはあるんです。では、皮膚科ではどんな治療が行われているのか。円形脱毛症診療ガイドラインを参考に見ておきたいと思います。

 Point

二度と円形脱毛症に苦しまない状況になることが治るということ!

円形脱毛症診療ガイドラインにある治療法

日本皮膚科学会では円形脱毛症診療ガイドラインというのを作っています。その目的は患者が治療に納得できること、皮膚科の先生が治療の判断ができること。

22の治療法が載っていますから、気になる方は見てみてください。その中で推奨されると言われている治療法が14あります。(カツラもあるのですが抜いて)

以下の治療が推奨されるものです。

治療法 推奨度
ステロイド局注 B
局所免疫療法 B
ステロイド内服 C1
点滴静注ステロイドパルス療法 C1
第 2世代抗ヒスタミン内服 C1
セファランチン内服 C1
グリチルリチン C1
ステロイド外用 C1
塩化カルプロニウム外用 C1
ミノキシジル外用 C1
冷却療法 C1
直線偏光近赤外線照射療法 C1
PUVA療法 C1

推奨度がBのものは「行うよう勧められる」。C1は「行っても良いが十分な根拠はない」です。Bに限定すると2つしかないのが現状なんですね。

ステロイド局所注射と局所免疫療法は推奨度が高い
ステロイド局所注射と局所免疫療法は推奨度が高い

ステロイド局注と局所免疫療法

ステロイド局注は、頭皮にステロイドの薬を注射するんですね。ステロイドは子どもの治療には使わないなどの制限もガイドラインには書かれています。

円形脱毛症のガイドラインで言われている「推奨度」とは、円形脱毛症に関する研究論文があって、その中でどのくらい効果があるかをテストしたようなものがあるんですね。それを参考に、効果があるのかどうかで判断しています。

日本皮膚科学会は、ステロイド局所注射と局所免疫療法が、今のところは円形脱毛症に最も効果があると言っているわけです。

推奨度Bは「行うように勧められる」とされていて、その根拠は、「少なくとも1つの有効性を示す質の劣るレベルⅡか良質のレベルⅢ、あるいは非常に良質のⅣのエビデンスがあること」とされています。

エビデンスは証拠です。どんな研究データがあるかを参考にしているわけです。レベルⅠはシステマティックレビュー、レベルⅡは、1つ以上のランダム化比較試験、レベルⅢは、非ランダム化比較試験だそうです。

ステロイド局所注射と、局所免疫療法は、推奨度レベルBですから、完全に治るというデータ的な根拠は今のところはないということなんでしょう。

でも、それなりのデータはあるから、まあ効果があるんじゃないかって話のようです。これ、どう思いますか?

 Point

円形脱毛症ガイドラインが推奨する方法でも根拠は物足りない!

円形脱毛症の回復期間について

次に回復期間についてです。

円形脱毛症診療ガイドラインによると、「存続期間が1年以内の単発型あるいは少数多発型の場合、80%が1年以内に治癒した」とあります。

軽い症状であれば、1年以内で治るんですね。

一方、「存続期間が長い例(3年)」やアトピー性疾患がある場合には、治癒の可能性は低いと言っています。

単発型では80%、多発型では61%、全頭型が34%、汎発型と蛇行状脱毛症が38%だという報告もあります。

円形脱毛症は症状が重症化するほど治りにくい
円形脱毛症は症状が重症化するほど治りにくい

 Memo

新潟大学の伊藤雅章先生の論文によると、「数カ所ぐらいの脱毛症であれば、数ヶ月で自然回復もしばしば」と言っています。

初期の患者の場合は、単発型から多発型あたりが多いと思うんです。これなら、治るまでの期間は数カ月と考えていいでしょう。

「治る」の定義が問題ではあります。髪が生えたことで治るというのは単純な発想です。その後に、再発がないかどうかは、医療機関ではつかめていないデータなのでしょう。

再発については、北里大学のデータが参考になります。

北里大学での円形脱毛症の治療のケース

病院での治療がどのくらい効果があるのか。いくつかのデータがあります。北里大学での2000年〜2008年のデータを参考にしてみます。

大学病院ですからね。近所の皮膚科では治らなくて、紹介してもらったような人が多いと思うんですね。だから、治りにくい人が多いんじゃないかと思います。

383例の治療を行っています。その後、6ヶ月で再発がなかったのは、22.7%だったそうです。単発型の場合は、44.1%、それ以外は、20%前後です。

円形脱毛症は髪が生えても再発するケースは多い
円形脱毛症は髪が生えても再発するケースは多い

これぐらいの成果なんですね。5人に1人ぐらいしか治らない。これを「治療の効果が高い」と感じるか、そんなもんかと感じるかは、それぞれだと思います。

また、このデータでは6ヶ月まで追いかけていますけど、私の経験では、6ヶ月以上髪が抜けなくても、その後に発症したこともあるわけです。

6カ月以上での再発を入れるなら、再発率はもっと高くなると言えるでしょうね。

 Memo

北里大学の研究では、まとめとして、「完全に再発を防止し、治癒させる治療法は現在のところは存在しない」と言っています。

 Point

円形脱毛症は、半数以上は再発し、二カ所以上の場合は約80%が再発する!

円形脱毛症が再発する理由と治療の問題点

円形脱毛症は免疫異常が強く疑われている病気です。自己免疫疾患だと言われているわけですよね。そこで、免疫をどうにかしなきゃいけないということなんです。

ところが、先ほどの円形脱毛症診療ガイドラインでは、そこまで踏み込んでいない印象を受けます。そう思うのは、私だけでしょうか。

免疫の異常を治すというよりは、免疫の力を弱める、免疫の攻撃対象をすり替えるというもの。それを「治療」と言っているんですね。

私たちが円形脱毛症の抜け毛を止めたいだけということであれば、皮膚科の治療でもある程度満足いく効果があるのかもしれませんよ。

でも、本当にどうにかしなきゃいけないのは、円形脱毛症を根本から治すことなんですよね。そう考えると、免疫の異常事態を治さなければいけないことになりますよね。

髪が生えることと、二度と円形脱毛症にならないことは全く意味が違う
髪が生えることと、二度と円形脱毛症にならないことは全く意味が違う

そこに病院の治療も円形脱毛症ガイドラインも、踏み込んでいないわけです。ステロイドを使うものは、局所注射、内服、外用、点滴などが行われていますが、結局は免疫を弱めるわけですね。

局所免疫療法は、頭皮にかぶれを起こさせて、そっちに免疫が反応するように仕向けるわけです。他にも頭皮にやけどをさせるような治療法もありますが、同様ですね。

これは、免疫をもとから治していないことになりませんか?

 Point

ステロイドやかぶれ治療などは、円形脱毛症を根本から治さない!

円形脱毛症の根本治療とは

自己免疫疾患は、自分の臓器などに対して、免疫が攻撃してしまう病気なんです。円形脱毛症の場合は毛根を攻撃するから髪が抜ける。

ところが、髪に対しては、本来免疫が攻撃できないようになっているし、免疫も自分の細胞を攻撃しないように教育されているはずなんですね。

なのに攻撃しているのです。その原因を取り除かなければ、根本治療にはなりません。

免疫が髪を攻撃する理由を取り除かないと治らない
免疫が髪を攻撃する理由を取り除かないと治らない

そこで、円形脱毛症の原因が何のかと言えば、免疫異常だとは言うものの、それ以上はよくわかっていないわけですね。

ステロイドを使ったら、髪が生える人もいる。それを治療として行っているのが皮膚科なんです。すべて病態が把握できていて、治療が行われているわけではないんです。

その結果、うまく効果が出て、髪が生えてくる人もいるわけですが、治療をやめたら再発する人も少なくありません。

髪が生えている状態を維持するためには、ずっと薬を使っていく。それは副作用の観点から、難しいでしょう。これは治ったというにはほど遠いわけです。

 Point

円形脱毛症の治療は、根本治療に向かっていない!

円形脱毛症が重症化する意味

先にも言ったように、円形脱毛症は軽いうちなら1年以内に80%は治っているというデータがあります。ただし、重症化すると治らないケースが多い。これは何を表しているんでしょうか。

他の病気でも同じ。軽症なら治りやすいし、重症なら治りにくのは当たり前と思うかもしれません。だけど、重症化とは何なのかですね。円形脱毛症の場合は、何が重症なのかです。

髪の抜け方が重症なんですけどね。それよりも私たちが目を向けるべきなのは免疫のことです。免疫の異常が重症なんですよ。

だから、症状としての脱毛も治りくいわけですから。ステロイドも局所免疫療法も太刀打ちできない場合もあるわけです。

私が言いたいのは、そんな時こそ、免疫の異常を治さなきゃいけないということ。

免疫を治すという意味を間違えてはいけません。免疫を弱めるんじゃなくてですよ。もともと体に備わっている仕組みなんですから、そこに人工的で科学的な手を加える必要もない。

病院での治療は対処療法、対処できても、根本は変わりません。だから再発の可能性もある。また、対処できないようなケースもある。ここを知っておいてください。

例えば、火事が起こるとしますよね。そのときに消防車がやってきて火を消すのが対処です。大きな家事の場合は、火を消すために、すごい消防車がやってくる。それで消せればいいけど、山が噴火した場合、もう消せませんね。

火事は火を消すのが大事じゃなくて、火事を起こさないことが大事なんです。円形脱毛症も一緒じゃないですか。そもそも火事を起こさないようにすること。

そのためには、どうするべきかを考えないといけないんです。

 Point

根本から治すには、免疫の異常を治すことが重要!

アレルギーとの関連が治すヒント

問題は免疫をどうやって正常にするかなんですね。自己免疫疾患については免疫の分野での研究は進んでいます。

ですけど、円形脱毛症が他の自己免疫疾患と違うところがあるような気もするんですね。それは髪を攻撃すること。

髪って大事なんですよ。そのために免疫学的特権というものが与えられている。免疫は自分と自分ではないものを区別します。そして自分でないものは排除する。

ところが、成長期の髪は、そんな免疫のルールとは関係がない。免疫は攻撃できないルールがある。

それなのに、円形脱毛症は、免疫細胞がルールを守らず、毛根を攻撃してしまっている。

同じような免疫の疾患と言われているのがアレルギーですね。花粉症など。花粉を体に害のあるものだと勘違いして攻撃している状況です。

アレルギーと自己免疫疾患は似ている
アレルギーと自己免疫疾患は似ている

花粉症って最近はヨーグルトがいいとか言うんですね。乳酸菌で腸内環境のバランスを整えると症状が和らぐ。

これは免疫の過剰な反応を抑える効果があると考えられます。自己免疫疾患でも免疫の自分の臓器に対する反応が抑えられればいいわけですからね。

実はアレルギーの薬が、円形脱毛症に使われていたりもします。円形脱毛症診療ガイドラインにも載っています。

「第2世代抗ヒスタミン内服」という治療で、推奨度はC1です。特にアトピー性素因を持つ患者には効果が出やすいとか。

どうやったら円形脱毛症を止められるか。ここにヒントがありますよね。

Tregというものが円形脱毛症を治す鍵

円形脱毛症の研究というのは、私たちのような一般人にはなかなか知ることができません。

そもそも研究があまりされていないのか、それとも何か隠さなきゃいけなくてオープンにされていないのかはよくわかりませんが。

比較的最近の研究で言えば、東北大学の研究を見ることができました。2012年〜2013年の研究です。

そこでは、円形脱毛症の場合にどのような免疫細胞が毛根に集まっているかを見ているんですね。Th1とTh17という免疫があって、それが毛根を攻撃しているということになります。

実はこれらの免疫の攻撃を止めるための免疫細胞も知られています。それが制御性T細胞です。Tregと言われています。

Tregは腸内でも作られています。Tregが少ないと自己免疫疾患になったり、アレルギーになったりすると言われているんです。

ここで、対処療法と根本治療をもう一度考えてください。

こういった免疫の研究からつくられるのは薬なんですね。どうするかと言えば、Tregを増やすような薬を作るとか、Th17を減らす薬を使うのかということになります。

わかりますよね。行きつくところは、対処療法になってしまうんです。

そうじゃないんですよ。根本から変える。Tregをちゃんと体が作れるようにすることです。

もともと体の中で作られるものなんですからね。そのためにどうすべきかが、円形脱毛症の治療に必要なこと。

今まで、円形脱毛症と腸内環境はかなり遠い存在だったと思います。私が今、いろいろ調べた結果、両者はすごく近くなったと感じています。自分で治せるんですよ。

さらに言えば、自分で治さないと、いつまでたっても対処療法に頼っていることになります。つまり、完治しないのです。

 Point

自分で治すことが円形脱毛症を本当に治すことにつながる!

まとめ

円形脱毛症の回復期間は、1年以内と言われますが、重症の場合は、時間がかかります。そして、再発する可能性も高くなります。

再発するような状態では、何も治っておらず、対処療法でしかありません。重症とは免疫の異常が重症なのであって、それを正さないことには、円形脱毛症を完治させることはできません。

この記事のポイント

  • 二度と円形脱毛症に苦しまない状況になることが治るということ!
  • 円形脱毛症ガイドラインが推奨する方法でも根拠は物足りない!
  • 円形脱毛症は、半数以上は再発し、二カ所以上の場合は約80%が再発する!
  • ステロイドやかぶれ治療などは、円形脱毛症を根本から治さない!
  • 円形脱毛症の治療は、根本治療に向かっていない!
  • 根本から治すには、免疫の異常を治すことが重要!
  • 自分で治すことが円形脱毛症を本当に治すことにつながる!
円形脱毛症の回復期間はどのくらい?治ったと言える状況とは

関連記事