円形脱毛症の治し方

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円形脱毛症は遺伝だけでは発症しない!予防するために必要なこと

円形脱毛症の原因

この記事のポイント

こんにちは。円形脱毛症には遺伝が関係していることは否めません。ただし、それがすべてでもないんですよね。遺伝だからと言ってあきらめる必要もない。私の家族はだれも円形脱毛症ではないんです。だから、遺伝だけでは片付けられない問題があるわけですよ。

円形脱毛症は遺伝だと言われることがあります。だとすると、親が円形脱毛症であれば、その子どもは避けられない。そういう事になりますよね。とても残念な話。だけど、そんなことはないんですよ。

遺伝は関係あるかもしれませんが、それですべてが決まるわけではありません。自己免疫疾患の原因について考えながら、円形脱毛症を治療したり、予防したりするのに必要なことを考えていきたいと思います。遺伝だけでは円形脱毛症は発症しないんです。

遺伝にこだわるよりも、円形脱毛症を治すために必要なことはありますよ。

円形脱毛症は遺伝なのか

円形脱毛症の原因を調べると、必ず出てくるのは「遺伝」ではないかと思います。親から譲り受けた遺伝子で、病気の発症リスクが高まることはよく聞きますからね。

日本皮膚科学会の円形脱毛症ガイドラインによると、以下のような記述があります。

参考:

AA 患者の 8.4% に家族内発症があり、患者との関係(親等)が近いほど発症率が高く、欧米の調査でも一親等内での AA 発症は一般に比べて 10 倍である。また、一卵性双生児での AA 一致率は 55% と高いが 二卵性では 0% である。

円形脱毛症診療ガイドライン

円形脱毛症と遺伝の関係
円形脱毛症と遺伝に関する情報(円形脱毛症診療ガイドラインを参考に作成)

遺伝を認めているということですね。日本皮膚科学会は。

 Point

円形脱毛症の発症には遺伝も関係している!

円形脱毛症の原因と言われること

円形脱毛症の原因として、遺伝もよく聞きますが、ストレスもよく言われますよね。そして最近は「自己免疫疾患」という言葉も聞きます。また、髪を作るための栄養が必要だとか、睡眠が必要だとか、ダイエットがよくないとかって言うんですね。

いろいろあり過ぎる。はっきり言って、よくわからなくなる。とりあえず、ここでは「遺伝」という観点で見てみたいと思います。

円形脱毛症に遺伝は関係する?

円形脱毛症に遺伝は関係あるのか。私はあるだろうと思うんです。とは言っても、その実感は私自身にはまったくと言っていいほどありません。

なぜなら、私の家系では、親も兄弟もいる中で、私だけが円形脱毛症になっています。他の家族はなったことがないんですね。これが真実です。

すごく私だけが不幸なのかもしれないけど、考えてみると、病気の中でも死に直結しない円形脱毛症。「まぁいいか」という気もしなくはないんですけどね。

遺伝子検査でわかること

ところで、私の円形脱毛症は遺伝と関係があるのか。これを実証することは難しいとは思います。可能だとすれば、遺伝子検査をすること。

最近は遺伝子検査で病気のリスクを調べることができるものがあるんですよね。

ガンや肥満のリスクを調べる。それとともに、円形脱毛症のリスクが遺伝子に組み込まれているかを調べることができるものもあるんです。私はもうすでに発症済みなので、調べてもなという感じがする。お金もそこそこするので。

だけど、円形脱毛症が先天的な遺伝によるものなのか、それとも後天的な生活習慣によるものであるのかのチェックはできるような気がしますね。どこまで、この検査を信用できるかは微妙ですけども。

DNAとRNAの関係から言えること

DNAというのがありますよね。遺伝情報を表す配列なんだとか。両親から半分ずつ遺伝情報をもらっていて、それが設計図になっている。

DNAからRNAを介して細胞が作られる

DNAはよく聞く言葉だと思うんですが、RNAというのは聞いたことがあるでしょうか。RNAは一時的にDNAの情報を転写(コピー)する。

DNAとRNAとタンパク質
DNAからRNAを介してタンパク質が作られる。

遺伝子の情報ってずっと変わりませんよね。DNAの設計図を、RNAは一度だけコピーして、細胞が作られます。これは優れた仕組みなんですよね。RNAは一度だけ使われて、すぐに捨てられるものだからいい。

設計図に何か問題が起こって、情報が変わってしまうこともある。それをRNAがコピーして細胞を作ると、やっぱりその細胞も変な細胞になりますよね。これでは体がどんどんおかしくなります。なのでDNAは元の正しい状態に戻るようになっている。

自分で修復することができるんです。そうなると、RNAは一度は間違った情報をコピーしたかもしれないけど、それは一度だけ使われて、もう捨てられてしまいます。次からは正しい情報で細胞を作ることができます。

DNAの修復
DNAは修復されるので、ミスは繰り返されない。

ちょっと余計な情報もありましたが、重要なのはこのDNAからRNAへの流れなんですね。「セントラルドグマ」と言われるものです。DNAからRNAを介してタンパク質が作られるということ。だから、遺伝情報が体にも現れるわけですよね。

参考:

遺伝情報は、DNA に保存されていますが、DNA だけでは何の働きもできません。細胞は、核の中にコンパクトに収納されている DNA から必要な情報を RNA(リボ核酸)に写し取りそれを核外に運んでいろいろな分子装置を使ってタンパク質を作らなくてはなりません。「遺伝情報が DNA から、RNAを経て、タンパク質へと流れる」ーこの概念を分子生物学の「セントラルドグマ」といいます。

遺伝子とタンパク質ータンパク質は DNA 配列にもとづいて合成される

DNAからの情報がすべてではない

DNAに円形脱毛症になることが書かれていたら、それだけでも円形脱毛症になってしまう。こういうイメージがあると思います。私はそう思っていたんですが。

ところが逆もあるみたいですね。RNAからDNAへの情報の流れもあるんですよ。これはどういうことでしょうか。DNAが書き換えられることはないんでしょうけど、DNAがすべてで、そのまま病気が発症するというものではないわけです。

生活環境によってはDNAからの情報を変えてしまうということなんですよね。となると、必ずしも親が円形脱毛症だからと言って、その子どもも円形脱毛症を発症するということではないということになります。

これは他の病気でも同じ。かなり環境因子とか、生活習慣が病気の発症には影響を及ぼすことがわかります。

つまり、遺伝はリスクでしかない。そのリスクが表に出てきたときに病気が発症する。もちろんリスクがもともとない方がいいわけですけど、私たちは遺伝を選べませんし。発症するかどうか、大事なのはDNAの情報よりも、生活習慣にあると言えますね。

遺伝はリスク
遺伝とはあくまでリスクであって、顕在化しなければ発症しない。

 Point

円形脱毛症は、遺伝で必ず発症するわけではない!

円形脱毛症の原因の考え方

円形脱毛症は自己免疫疾患と言われますよね。では、その自己免疫疾患を引き起こしている原因は何でしょうか。それは免疫異常?じゃあ、なんで異常になるのか。それが脱毛を引き起こす理由となります。

よく自己免疫疾患で言われるのが樽(たる)だと思います。コップでもいいんですけどね。中に酒でも水でもいいから液体を入れる。その液体がきっかけとなるものです。

液体を入れても、つまり原因となるものが身に降りかかっても、円形脱毛症は発症しません。どうなると発症するのか。それはコップから水であふれるとき。コップの中に水が注がれて表面から水がこぼれてしまうとき。ここではじめて発症。

円形脱毛症の発症まで
原因が貯まるコップの水があふれたときに円形脱毛症は発症する。

これはどういうことかわかりますか?原因はいろいろある。いろんなものがコップに入っていく。やがて満タンになって、こぼれてしまう。その時に発症するというのが自己免疫疾患だと言われているんです。

円形脱毛症も自己免疫疾患ですよね。だから、同じように考えるのが妥当だと思います。これだと直接の原因を特定するのは難しいのではないかということ。

円形脱毛症を引き起こすものを整理する

円形脱毛症の原因がよくわからないのは、いろんな原因が複合的に影響しているからなのかもしれません。だけど、せめてもう少し整理することはできますよ。

ちゃんと1つ1つが整理できていない。他の病気でも同じですが、3つあると思うわけです。原因というか発症につながるものが。

1つは、生活習慣。もう1つは環境。そして3つ目に遺伝。順番はどうでもいいのですが、この3つに分けて整理すると、円形脱毛症の原因はわかりやすくなりますよね。

例えば、ストレス。これは環境なんです。ストレスを受けやすいという遺伝的な部分もあるかもしれませんが、結局は周囲の環境によってストレスが発生しているわけですよね。

遺伝もその中の1つとして存在するのではないかと思います。

遺伝は選べない

コップに原因となるものが注がれていく。できるだけ、それを少なくするのが良さそうですよね。遺伝はどうなんでしょう。これは仕方のないことですよね。そして環境もなかなか変えるのが難しい。わかりますよね?

大事なのは、遺伝、環境、生活習慣、この3つがそれぞれ独立して円形脱毛症を発症させているわけではないことです。これらが3つともそろってしまうと発症するというのが正しい。

遺伝があって、環境が悪い、でも生活習慣が正しければ発症しない。入れ替えても同じですよ。環境も生活習慣も荒れている。だけど遺伝がないなら円形脱毛症は発症しない。私の兄弟は遺伝はあっても、3つそろわないってことなのでしょう。

円形脱毛症が発症する3つの要因
3つの要因がそろったとき、円形脱毛症は発症する。

どれか1つがそろわなければ、発症しないということ。問題はどこを守るかなんですね。遺伝、環境、生活習慣、どれですか?

 Point

3つの要因がすべてそろわないと発症しない!

遺伝は変えられない

遺伝が円形脱毛症の発症に、たとえどんなに大きな影響を与えていたとしてもですよ。環境ならまだしも、遺伝をどうにかすることは不可能。こんなものを原因として追いかけても、はっきり言って意味が無い。

円形脱毛症を治すには生活習慣
円形脱毛症を治すには生活習慣しかない。

となると、生活習慣をどうにかするしかありませんよ。だけど、それでいいじゃないですか。目的はなんですか?円形脱毛症を発症しなようにすること。そのための生活習慣を見つけることができればいいだけなんですからね。

完治のためには遺伝より生活習慣の方が重要

生活習慣というのは子どもだと、親の影響も少なからず受けますけどね。大人になってしまうと、すべてが自分の考え方で決まるんですよね。だから、どうにでもできるんです。発症させないためには生活習慣を見直すこと。これしかありません。

私たちが円形脱毛症を克服したいならば、遺伝を気にするよりも生活習慣を変えていかないといけないということになります。

 Point

円形脱毛症をどうにかするには、生活習慣の見直しが重要!

予防、治療のために必要なこと

円形脱毛症は遺伝だけでは発症しない。それだけではなくて、遺伝のことを気にしても、今さらどうすることもできないんです。

まだ円形脱毛症になっていない人が将来なるかどうか。気になるかもしれませんけど、重要なのは遺伝的にリスクがあるのかどうかではありません。それよりも環境が大事で、生活習慣や考え方が大事なんです。

円形脱毛症は再発もします。一度ハゲたところから髪が生えた。でも、また別の部分で脱毛が起こることもめずらしくありません。

そのきっかけとなるものは環境であって、その環境に耐えられなくて脱毛の症状を起こしてしまう。なぜ耐えられないのか。そこに関係しているのが生活習慣です。防ぐためには日々の生活習慣が大事だということですよね。ここを理解することはとても大事です。そうしないとまた発症するんですから。

生活習慣で円形脱毛症を防ぐ
遺伝や環境に耐えられるための体を生活習慣で作る。

また、今、円形脱毛症で悩んでいる人。治療もそうなんですよね。どんなに病院に行って薬を飲んだり塗ったりしても、限界があるわけです。遺伝だから仕方ない。薬で抑えるしかない。これだとまた再発しますよね。

円形脱毛症は慢性的な疾患

円形脱毛症って、他の人から見ると、ある意味では一時的なものに見えることもあると思います。ある日、突然髪が抜けてしまって、そのうち生えてくる。だけど、円形脱毛症は慢性的な疾患なんですよ。

その証拠が私なんですから。何度も再発しているじゃないですか。これは生活習慣そのものだということですよね。

髪が生えてもまた抜ける。その影には何も改善されていない生活習慣があったということなのでしょう。じゃあ、どんな生活がいけなくて、それをどう改善すれば、治療にも予防にも効果が出てくるのでしょうか。別の記事に書きたいと思います。

 Point

生活習慣が改善されなければ、円形脱毛症の再発を防げない!

まとめ

円形脱毛症は遺伝だけでは発症しません。様々な要因が重なって発症するものです。遺伝もその1つですが、環境、生活習慣も同じように1つの要因であって、これらが3つ重なった時に発症します。

遺伝をどうにかできる時代はまだまだ先です。今できることは、生活習慣を見直すこと。円形脱毛症の再発を防ぐにも、これが大切です。

この記事のポイント

  • 円形脱毛症の発症には遺伝も関係している!
  • 円形脱毛症は、遺伝で必ず発症するわけではない!
  • 3つの要因がすべてそろわないと発症しない!
  • 円形脱毛症をどうにかするには、生活習慣の見直しが重要!
  • 生活習慣が改善されなければ再発を防げない!
円形脱毛症は遺伝だけでは発症しない!予防するために必要なこと

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