円形脱毛症の治し方

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円形脱毛症の2つの側面。免疫の問題か、髪の問題かで治し方も変わる?

円形脱毛症の原因

この記事のポイント

こんにちは。円形脱毛症は自己免疫疾患と言われますが、免疫というのは白血球ですよね。つまり、体の中の問題のように思えます。 ですけど、髪が抜けるという意味では頭皮にも異常があるのか。髪への攻撃は何が異常なのか、一度まじめに考えてみたいと思います。

円形脱毛症は、ものすごく簡単に言うならば、髪が抜けるという症状ですよね。一歩踏み込んで、どうして抜けるのかということになると、すごく難しくなります。

自己免疫疾患とも言われますけど、よくわかりませんよね。免疫なのだから、体の中の問題なのか。それとも髪が抜けるんだから頭皮の問題なのか。 円形脱毛症の2つの側面について考えてみます。

自己免疫疾患とは

自己免疫疾患とは、体を守るために備わっている免疫の仕組みが、自分の体を攻撃してしまうことによって起こるものです。つまり、免疫の異常なんですよね。

参考:

自己すなわち自分の体の抗原と免疫反応を起こしてしまう病気です。本来、免疫システムは自己の抗原とは反応しないような仕組みがあります。それを免疫寛容といいます。このシステムがうまく動かなくなった場合に自己免疫疾患になると考えられています。

「自己免疫疾患とはどのようなものですか?」日本免疫学会

アレルギー

同じようなものにアレルギー疾患があります。日本人の2人に1人は何かのアレルギー疾患だと言われていますね。

先進国に多いというのも特徴のようです。アレルギーは主に体外からくるもの、例えばスギ花粉のようなものに免疫が反応して症状を起こします。自己免疫疾患は体内。自分の体に対して反応します。

参考:

この結果は、わが国の全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していることを示している。これは近年の国民の約3人に一人がアレルギー疾患に罹患している状態よりもさらに急速に増加していることを示している。

アレルギー疾患対策報告書(素案)

円形脱毛症は髪に対する免疫の反応ですからね。自己免疫疾患の方ですね。

アレルギーと自己免疫疾患の違い
アレルギーと自己免疫疾患の違い

髪が抜けるということを考える

自己免疫疾患にはいろんな症状があります。ここでは円形脱毛症との関係を考えなければいけませんよね。自己免疫疾患によって髪が抜けるということをよく考えてみたいんです。

なぜ、円形脱毛症は部分的に髪が抜けるのでしょうか。そこには2つの考え方ができるんですね。

円形脱毛症の2つの側面
免疫から見た場合と髪の毛から見た場合で異なる。

免疫の誤作動

免疫異常で自己免疫疾患が起こる。それは免疫の誤作動なのでしょうか。

免疫は体を守るためにある仕組みなのに、自分の髪を攻撃して抜けさせてしまう。これは正しい免疫の働きではないから。すなわち誤作動。

円形脱毛症は免疫の誤作動
免疫の誤作動が原因で髪が抜ける。

何か体に異常があって、それが免疫の誤作動を起こさせたということ。環境によるものもあるだろうし、生活習慣からくるものもあるんでしょうけどね。

自己免疫疾患はどういった状態なのかと言えば、「免疫が暴走している」と表現されることがあります。守らなければいけないはずの自分の体にまで攻撃する。

実は免疫には自分の細胞を攻撃する仕事もあります。ただし、それは異常な細胞が生まれてしまったとき。私たちの体の中では毎日ものすごい数の細胞が生まれ変わっていますよね。

そのときに、すべてが正常な細胞なわけではなくて、異常な細胞も生まれます。そのような細胞は免疫が攻撃して排除してしまいます。これも重要な免疫の役割です。

参考:

がん細胞は、健康な人のカラダでも多数(学説によっては1日に5000個も!)できることがわかっています。

東京都福祉保健局

だから、よく考えると、免疫の役割には2つの側面があると言えるんです。1つは体外に対する防御、もう1つは、体内で発生する異常の排除。自己免疫疾患で言えば、体内の組織に対して攻撃するわけで、しかも、正常な細胞や組織に対して攻撃するんですからね。

正常な細胞への攻撃は誤作動
円形脱毛症は免疫が正常な細胞に攻撃するのが問題。

円形脱毛症の場合は、自分の髪を攻撃するわけですから、体外に対する防御ではなくて、体内に対する働きでのトラブルなのでしょう。

免疫は必要以上に攻撃してはいけない

免疫が自分の正常なものに対して反応してしまう。本当はそれも人間の体にとっては想定内なんです。免疫細胞もたくさん作られているわけで、その中には自分自身を攻撃するものも出てくるわけですね。

その時に、免疫細胞の中にはリーダーがいて、攻撃しないようにメッセージを送る。それによって、攻撃していた免疫細胞も攻撃をやめる。これが本来の姿なんです。これなら、必要以上に正常な細胞への攻撃は行われませんよね。

自己への攻撃のストップ
免疫には不要な攻撃を止めるという仕組みがある。

つまり、攻撃するな!というメッセージ(サイトカインという)がうまく届いていないということなんだと思います。それが自己免疫疾患という名前の免疫異常。そして円形脱毛症が起こるんですね。

 Point

自己免疫疾患は免疫に攻撃するな!というメッセージが届いていない状態!

髪とは何か

ところで髪ってなんですか?

今の時代、髪型はファッションのようにも思えますけどね。そして円形脱毛症の私からすると、ファッションを楽しめないことが、とても残念に思う。ただ、本来の髪の意味は違うと思います。

髪は頭を守るものなんですよね。他の動物は体中が毛に覆われていますけど、人間は頭に集中していますよね。これは脳が発達している人間の特徴でもあって、脳を暑さや寒さ、あるいは衝撃から守っているわけでしょう。だとすれば、髪は大事なものなんですよ。命を守る上で。

脳を守るためにある髪
髪は脳を守るためになくてはならない存在。

つまり、そう簡単に抜けてしまってはいけないもの。それが髪。脳を守れなくなるんだから当然です。

それなのに円形脱毛症では髪が抜けますよね。髪を引っ張ると何の抵抗もなくスルッと抜ける…。大事な髪なはずなのにですよ。

どうして?と思いませんか。なぜ髪が抜けるのか。円形脱毛症の2つ目の側面につながっていきます。

 Point

髪は人間の生命を守るために大事なもの!

髪の方に問題がある?

先に書いたように、免疫は異常な細胞を攻撃するという役割もあります。そう考えると、免疫の異常ではなく、髪の方の異常であるということも否定できないのではないかと私は思ったわけです。

髪や毛包に異常があれば、そこを攻撃するのは当たり前だという話。例えば、覚せい剤などの薬物は、髪を検査するとわかるように髪から排出されるわけですよね。髪は排出の役割がある。

異常な髪に対する免疫の攻撃
髪に異常があれば免疫が攻撃するのは正しい?

免疫の仕事って、体に害のあるものは排除するってこと。だとすると、髪が抜けるように毛包を攻撃することもあり得るのではないかと思ったんです。

つまり、免疫の誤作動で起こるのではなくて、免疫の反応は正常で正しい働きをしている。問題は髪や毛包の方にあって、異常なものだからこそ、排除するために免疫が攻撃している。そう考えることもできるのではないかと。

DNAは損傷を受けたり、ウイルスによって書き換えられたりもします。これによって何が起こるか。正常ではない細胞ができてしまう。

こうしてできた異常な細胞は免疫によって排除されるわけですよね。それは暴走でも誤作動でもなく、免疫本来の役割でしたよね。

ところが、調べてみると、そういうことはどうもなさそうだということなんですよ。髪は大事なものなので特権があるらしいのです。髪には特権が与えられている。言い換えれば、それほどまでに大事なものだということ。

免疫特権について

体の中で髪に近いのは皮膚ですよね。皮膚を他の人から移植するとどうなるか知っていますか?拒絶反応を起こします。免疫があるからうまくいかないんですよね。

腎臓移植とか聞いたことありますよね。移植できる臓器でも、やっぱり免疫は他人の臓器を拒絶する。ただ、拒絶の仕方が皮膚ほどではないから、免疫抑制剤を使いながらやれば移植できる。

皮膚の移植と免疫反応
皮膚移植は免疫が働くために難しい。

つまり、皮膚は免疫の反応が強いわけですよね。じゃあ、皮膚に近い髪の毛はどうなのか。

髪は移植可能?

イギリスのJahoda博士の話がとても興味深いんですね。

自分の頭皮の毛乳頭を奥さんの腕に移植したという話です。どうなったと思いますか?毛が生えてきたというんです。奥さんの腕から。移植が成功したということ。どうして免疫が働かなかったのか、気になるんですね。

その答えが免疫特権です。毛髪には特権がある。他に特権があるのは、脳や眼、生殖器などのようです。どれも重要じゃないですか。髪も同じように特権があるわけです。

免疫特権の臓器
脳や目と同じように毛髪には免疫に対する特権がある。

特権があると、免疫からの攻撃を受けない。そういう仕組みがあるんですね。だから、髪が免疫によって攻撃を受けるというのは、特権が無視されていると言えるんですよね。

本来は攻撃しようとする免疫は毛包付近でアポトーシスという方法で殺されてしまうのに、そうはなっていないのが円形脱毛症です。つまり、円形脱毛症は免疫の誤作動と言うよりも、免疫特権の仕組みが崩壊した状態とも考えられるわけですよね。

免疫特権とアポトーシス
本来なら髪は免疫をアポトーシスに追い込むので攻撃されない。

参考:

免疫特権(immune privilege)。全身の免疫系から隔絶されている,臓器内で自己制御されているなどの理由により免疫応答や炎症反応などが起こりにくい性質のこと。免疫特権があると臓器移植の際に拒絶反応が起こりにくいことから移植成功率が高いとされる。脳,眼(角膜)、毛髪、精巣、母親の子宮内の胎児などに免疫特権があると考えられている。

実験医学オンライン

参考:

よくみられる自己免疫疾患である円形脱毛症では、毛嚢の免疫特権(自己免疫反応を免れるという特権)が崩れることで脱毛が起こるが、その遺伝的な基盤はほとんどわかっていない。

Nature Japan

参考:

毛嚢は自己免疫反応を免れる構造(immune privilege, 免疫特権)となっている。しかしながら、円形脱毛症病変部毛嚢では上記ClassI, ClassII抗原ともに発現が増強している。以上のことから、感染ないし細菌性スーパー抗原、毛嚢の機械的破壊などが毛嚢周囲にinterferon-gammaなど炎症性サイトカインの分泌を促し、それらが毛嚢上皮にclassI抗原を発現させ、自己免疫性CD8陽性T細胞の活性化を促すことが円形脱毛症の発症機序と考えられている。

東北大学病院

 Point

免疫特権によって髪は免疫の攻撃を受けないのが本来の姿!

悪いのは免疫なのか

こう考えてくると、単純に免疫のリンパ球が問題なのか、それとも髪を守るシステムに問題があるのか。よくわからなくなってきますね。

いずれにしても、円形脱毛症は、免疫の問題であって、免疫が細胞を攻撃するところを止められれば、円形脱毛症は止められるということ。ですけど、それで本当に解決するのかはよくわからない。

免疫というのはすごく複雑な仕組み。一言で免疫と言っても、その中にはそれぞれの役割を持つ、いろんな種類の免疫細胞があります。そして、それらの免疫細胞が体の中で「サイトカイン」と言われるメッセージを送ったり、受け取ったりして働いているんです。

そのやり取りのすべてを把握することはそう簡単ではない。サイトカインだけではなく、神経伝達物質とか、ホルモンとか、体内では常にたくさんの情報の伝達が行われていて、これをすべて把握するなんて無理でしょうね。

だとするとどうなると思いますか?結局は薬を使うことになるのではないかと思うんです。

薬を使うこと

円形脱毛症では、ある種のT細胞(免疫細胞の一種)が毛包を攻撃する。だから、このT細胞の攻撃を止める薬を使う。だけど、そのT細胞がなぜ攻撃しているのかがわかっていないと、弊害が起こることもあるんじゃないかと思うんです。

仕組みの一部に手を加えるということは、やっぱり危険。洋服のボタンみたいなもので、1つずれてしまうと、もうずっとずれていく。後戻りできないというか。そのずれが別の問題を引き起こす可能性もあるんじゃないでしょうか。

 Point

体の中では情報のやり取りがあり、私たちはすべてを把握できていない!

円形脱毛症が発症する理由

円形脱毛症が発症する理由をもう一度考えてみてください。2つありました。免疫の異常か、それとも免疫特権のシステムの異常かということです。

円形脱毛症について見れば、毛包に対するT細胞という免疫細胞の攻撃が認められていますから、すごく視野を狭くしてみると、免疫の攻撃を止めるための制御性T細胞の働きが重要だということになります。

もっと視野を広げることも可能ですが、そうすると原因を突き止めることはかなり難しいことになるのではないかと思います。人間の体の仕組みをすべて把握するのはとても困難ですからね。

だけど、私たちは人間の体の仕組みをすべて理解する必要もないんです。目的は何ですか?円形脱毛症を完治させることですよね。

そのためには、免疫の異常と今の生活との接点を見出さなければいけません。そこで注目すべきなのは、何でしょうか。その働きを生活の中で改善できれば、円形脱毛症を完治できる。そういった期待が持てます。

2つの異常の間にあるもの。それは生活習慣だと思います。免疫は体の中の問題。一方、免疫特権の問題だとすれば、髪の組織の問題なのかもしれない。間にあるのは頭皮なんですよね。

つまり、円形脱毛症の全てを理解できているわけではもちろんないわけですけど、考えるべきなのは、体の中と体の外の両方ではないかと思うんです。

生活習慣の中で、体の中、免疫をちゃんと働くようにしていく。さらに頭皮に異常(特権が保たれないこと)がないように考えていく。言い換えると、食事であって、頭皮ケアだということなのでしょう。

円形脱毛症はこのように2つのアプローチで考えていくべきだ。それが私の現時点での結論です。

 Point

円形脱毛症は、体内と体外の2つの対処を考えるべき!

まとめ

円形脱毛症は、免疫の誤作動だとされていますが、体内の異常な細胞を排除するという役割も免疫の重要な役割です。免疫による毛包への攻撃は、単なる免疫の誤作動なのか、それとも免疫特権の仕組みの崩壊なのかといった2つの側面があります。

今の段階では、私たちが円形脱毛症を完治させるために必要なのは、免疫の改善と頭皮ケアを同時に行うことだと考えます。

そして、もう1つ。髪は免疫の攻撃を受けないような特権が与えられているほどに大事なもの。生えなければいけないものだということですよね。だから髪は生えるんですよ。

この記事のポイント

  • 自己免疫疾患は免疫に攻撃するな!というメッセージが届いていない状態!
  • 髪は人間の生命を守るために大事なもの!
  • 免疫特権によって髪は免疫の攻撃を受けないのが本来の姿!
  • 体の中では情報のやり取りがあり、私たちはすべてを把握できていない!
  • 円形脱毛症は、体内と体外の2つの対処を考えるべき!
円形脱毛症の2つの側面。免疫の問題か、髪の問題かで治し方も変わる?

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